JLPT N1MODE BACA
JLPT N1 - 2024年12月
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SESI 13 SOAL
内容理解(長文) (Pemahaman Teks Panjang)
次の文章を読んで、後の問いに対する答えとして、最もよいものを1・2・3・4から一つ選びなさい。
WACANA / STIMULUS SOAL
教育を仕事にしていると、面白いことがたくさんある。その中の一つに、『未熟さの効用』とでも言うべき現象がある。知識や教育技術がたとえ未熟であったとしても、不思議と初めて受け持った授業が生徒との間に一番濃い縁を結ぶことがよくある。
通常の仕事は、経験を積み、技術が上がるほど、質が良くなる。教育の世界でも、もちろん経験知は有効に働く。ベテランの安定感は、たしかに大切だ。しかし、教育の場合は、若く未熟であることがむしろプラスに働くケースがよくあるのも事実だ。初年度に受け持った学生たちのことが鮮明に記憶に残り、その後のつき合いも深い、という経験が私にもある。
これはどういうことだろうか。まず考えられるのは、初年度の緊張感が、学生たちに新鮮な印象を与えたということだ。慣れてくると手際が良くなる。すると、学生たちは、安心する一方で油断が出る。レストランで手際のいいコックに料理を出してもらうような気分で、授業を受け始めてしまうのだ。授業を上手にサービスする側と、サービスされる側に、立場がはっきり分かれてしまう。先生はいかにも先生らしく、生徒はいかにも生徒らしい。
こうした関係は、安定はしているが、ときに新鮮さに欠ける。これに対して、初年度の教師が持つ緊張感は、生徒にも伝染する。その緊張感の共有が、一つの同じ場を作り上げているのだという意識を生みだす。参加し作り上げる感覚が、生徒の方にも生まれる。それが思い出の濃さにもつながる。
ここで初年度というのは、教師になって初めての年度というだけではない。学校を替わって、教師が新たな気持ちで臨むときも新鮮さが出る。あるいは新しい教科を担当し、一生懸命勉強して多少の不安を持ちながらも勢いをつけて切り抜けていくときにも、印象深い授業ができやすい。
ただ単に未熟であることがいいわけではもちろんない。自分が未熟であることを自覚し、その分精一杯準備し、情熱を持って語りかけるときに、未熟さがプラスに転じるのだ。
教育において『新鮮さ』は決定的な重要性を持っている。いわゆる『教師臭さ』は、学ぶ側の構えを鈍くさせてしまう。型どおりの教え方が染みついてしまっている、という印象を与えてしまうだけで大きなマイナスになるのだ。『決まり切った感じ』を印象として与えないようにすることが大切である。経験知を重ねる良さを残したまま、新鮮さを失わない。これは、もはや一つの技である。『先生も自分たちと一緒に変化してくれるのだ』という意識が学ぶ側に生まれると、場を一緒に盛り上げる機運が高まる。
1
筆者によると、教育の仕事は通常の仕事とどのような点で異なるか。
1.
知識や技術の高さよりも人格の良さの方が重視される。
2.
知識や技術が十分でなくても良い結果を生むことがある。
KUNCI3.
経験知の豊富なベテランより、若く未熟な方が好かれやすい。
4.
経験を積み技術が上がっても、仕事の質が良くなるとは限らない。
2
筆者によると、初年度の教師の緊張感は学生たちにどのように影響するか。
1.
積極的に授業に参加し、教師の緊張感を和らげようとする。
2.
教師の立場を理解し、生徒らしい態度で授業を受けようとする。
3.
教師と一緒に授業を作っているのだという気持ちになる。
KUNCI4.
教師と緊張感が共有でき、心を開いていいのだと思うようになる。
3
筆者によると、教育を仕事にしている人間にとって大切なことは何か。
1.
経験に満足することなく、自ら変化し続けようとすること。
KUNCI2.
新鮮さを失わないために、自ら新しい知識や技術を身につけること。
3.
自らの足りなさを補いつつ、情熱を持って接すること。
4.
自らの未熟さを隠さずに、学ぶ側が一体感を得やすくすること。