JLPT N1MODE BACA

JLPT N1 - 2023年7月

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SESI 13 SOAL

主張理解 (Pemahaman Opini Penulis)

次の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
WACANA / STIMULUS SOAL
企業にとっても、人々にとっても、先の見えない不安な時代である。そしてそんな不安な時代を生きる子供たちに、『生きる力』をつけさせたいという『親心』は、わからないではない。また企業の経営者が、少しでも優秀な人材を取り込みたいと考えるのは、必然ではあるだろう。地域の衰退や産業の空洞化を食い止められる人間が現れてくれれば、わたしたちの不安な気持ちも、いくぶんなりとも和らぐというものである。
しかし、まがりなりにも教育学を専門とする者として、ここは言わせてほしい。現代日本社会の問題を、なんでもかんでも教育で解決しようというのはいただけない。
確かに教育は、人間を育てることを通じて、人々の人生や社会の未来に対して、一定の貢献を為すことができる。しかしわたしに言わせれば、そのような教育の役立ちの度合いは、決して大きいものではない。教育には不確定性がつきものである。これはもう、教員養成のテキストでも論じられる『教育学の基本のキ』だ。教えたからといって、その分だけ子どもが育つというわけではないし、教えたつもりがないのに、子供の方が勝手に学んでいるということもある。もちろん教師も教育学者も、その確率論的な育ちをどうにかして望ましい方向に向ける努力はするが、なんと言っても育つのは子どもなのだから、『最小限のコストで最大限のメリットを達成しなさい』『必要な人材をきっちりきっかり、耳をそろえて社会に納品しなさい』などという注文を、そうそう請け負うことはできない。
それにそもそも教育は、経済のためだけのものでも、共同体の維持のためだけのものでも、家族のためだけのものでもない。市場も、国家も、地域共同体も、そして家族も、もっと役に立つ教育をしろ、意味のある教育をしろと言うけれど、それぞれ注文はバラバラなのである。もちろん教育は、それぞれの要求に(確率論的に)少しずつ貢献はする。しかしそれをもって推し進めて、どれかの目的のためだけに合理化・効率化しようとすれば、教育はずいぶんと歪なものになる。まして、みんながみんな教育からそれぞれの利益を引き出そうと躍起になっても、そんな過剰な期待に引き裂かれた教育がうまく機能するとは思えない。
(中略)
停滞の続くこの社会で、誰もが不安に押しつぶされ、ちょうどその分だけ教育なるものに過剰な期待や希望を託そうとしている。その結果、教育、なかでも学校教育が、改革の為に呑まれ、余裕をなくしそうになっている。教育に多くを求めすぎると警報を鳴らすことは、結果的に、この社会と教育を持続させるためにいま一番必要なことなのではないだろうか。
1
『決して大きいものではない』と考える理由として、筆者が述べているのはどれか。
1.
企業や社会が望む人材と、教育学で目標とする人材は異なるから
2.
『生きる力』をつけるために必要なことは、明確ではないから
3.
子ども一人一人に合わせて、教育の内容を変えられないから
4.
子どもは、教えたとおりに育つとは限らないから
KUNCI
2
教育について、筆者の考えに合うのはどれか。
1.
それぞれの目的に合わせて合理化・効率化しなければ、機能しない。
2.
みんなで一つの目的を共有しなければ、効果は上がらない。
3.
特定の目的を果たすために存在するものではない。
KUNCI
4.
役に立つかどうかという観点で評価されるべきだ。
3
筆者が最も言いたいことは何か。
1.
多様な社会の要求に応じられるように、教育のあり方を考え直すべきだ。
2.
社会の不安を取り除くためには、教育を合理化・効率化すべきではない。
3.
教育の改革によって、安定した社会を持続させていくことが必要だ。
4.
現代社会の問題のすべてが、教育で解決できると思ってはいけない。
KUNCI