JLPT N1MODE BACA

JLPT N1 - 2021年7月

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SESI 14 SOAL

主張理解 (Pemahaman Opini Penulis)

次の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
WACANA / STIMULUS SOAL
人間の生存に不可欠なのは衣食住ですが、人間というのは、それだけでは生きていけない生きものです。衣食住に加えて何が必要かというと、それは自尊心です。自尊心というと、高慢さを連想して、悪いイメージを持っている人が多いようですが、私がここで言う自尊心とは、「自分には生きていくだけの価値がある」と思うこと、極端に言えば、「この世界のなかでいくらかの場所を占領し、食べものを食べ、水を飲み、空気を吸って生きていてもかまわないのだ」と思うことです。そう信じられなくなったとき、私たちは生きつづけるために必要な気力を失い、ときには命を絶つことさえあります。
じつは、人間のさまざまな行動は、この自尊心の働きに支配されているのだと考えると、とてもよく理解できます。私たちに、一生にわたる自尊心の①基盤を与えてくれるのは、言うまでもなく、幼いときに育ててくれる親や、それにかわる人たちの、無条件の愛情です。幼い子どもにとっては、自分の家族が全世界ですから、そのなかで大切にしてもらえば、自分の価値を信じるのはたやすいことです。しかし、そこで与えられるのは基盤にすぎず、保育園、幼稚園などの集団に入ると、親の愛の上に築いた自尊心はもろくも崩れてしまいます。自分にとっては絶対であった親が、世の中のたくさんの人たちの一人にすぎないのなら、その親に保証してもらった自分の値打ちも、ちっぽけなものにすぎないことになるからです。
そこから、子ども自身による、自尊心回復のための戦いがはじまります。幼い子どもというのは、無邪気な会話をしているかと思うと、親の持ちものの自慢をしたり、何かを持っていない子をのけ(注1)ものにしたりといった、「子どもらしくない」と言いたくなるようなふるまいをはじめるものです。しかしこれらは、子どもなりの自尊心回復の手段なのであって、その意味ではきわめて②「子どもらしい」のです。不幸にして家庭の愛情がじゅうぶんでなかったり、「いい子」でいないと愛してもらえなかったりする子どもたちは、すべてを自力で獲得しないといけませんから、とりわけ競争での勝ち負けにこだわることになりがちです。子どもたちのそんな様子に、大人はつい眉(注2)をひそめたくなりますが、生きるために自尊心がどれほど必要かを考えれば、無理のないことだと理解できます。
(注1)のけものにする:仲間はずれにする
(注2)眉(まゆ)をひそめる:不愉快な気持ちを表す
1
筆者は、①基盤は何によって築かれると言っているか。
1.
食べ物と水がじゅうぶんに与えられることによって。
2.
子どものころに親や周囲の人に愛されることによって。
KUNCI
3.
幼いときに自分の家族が一番だと信じることによって。
4.
生きていくために必要な気力を持ち続けることによって。
2
筆者は、子どもが集団に入ると、なぜ自尊心が崩れると考えているのか。
1.
幼い時に受けた無条件の愛情は幼稚園や保育園では必要がないから。
2.
親から愛されなかったために、他の人たちとはうまくいかないから。
3.
幼稚園や保育園では親の愛情ではなく、他の人の愛情を受けるから。
4.
親に保証してもらっていた自分の価値が小さいものだと感じるから。
KUNCI
3
②「子どもらしい」とあるが、著者は、何が子どもらしいと言っているのか。
1.
愛情がじゅうぶん与えられていていい子でいられること。
2.
親の自慢などはしないで、無邪気な会話をしていること。
3.
競争での勝ち負けにこだわらない子どもらしいふるまい。
4.
自尊心を回復するための子どもらしく見えないふるまい。
KUNCI
4
筆者は、子どもが成長するためにはどんなことが大事だと言っているか。
1.
親の愛情によって保証してもらった自分の価値を、自分の力でもう一度獲得すること。
KUNCI
2.
自分の行動が自尊心の働きに支配されていることを理解して、ふるまいに気をつけること。
3.
保育園などの集団生活の中で決められる自分の値打ちを、子ども自身が受け入れること。
4.
友だちをのけものにしたり親の自慢をしたりしないで、他の人の価値も尊重すること。