JLPT N1MODE BACA

JLPT N1 - 2019年7月

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SESI 14 SOAL

主張理解 (Pemahaman Opini Penulis)

次の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
WACANA / STIMULUS SOAL
なんであれ無我夢中になって時間を忘れるような体験は、誰にとっても奇跡のような時間である。そんな奇跡を可能にするものこそ、実は「独り」の時間なのである。現実世界の他者との接点が完全になくなり、日常のあれやこれやが背景に没する(注1)とき、人は自由の翼を羽ばたかせる。
しかし、現実のもろもろ(注2)が想像力や感性を邪魔しているかぎり、そうした無限といってよい自由はやってこない。ヒマで死にそうな人にも、あの、わくわくする自由は訪れない。①あの自由を取り戻すためには、周囲の人たちとのつながりを完全に忘れてしまわなければならない。あるいは、つながりを完全に絶ってまでも、そこに没入したい(注3)世界が存在しなければならないということである。
独りは、「ひとりぼっち」である。孤独であり、寄る辺ない(注4)状態だ。中学生のなかには――もちろん高校生や大学生のなかにも――、ひとりぼっちになるのが怖くて、電話機から離れられない人も多い。一瞬でもスマホ(注5)を手放すのが怖くて仕方がない人たちのことを聞くと、私は「かわいそうだな」と思う。彼らは人とのつながりがなくなり、ひとりぼっちの深みに沈むのが怖くてたまらないのだ。たぶん、彼ら・彼女たちは孤独の効用を知らないし、ひとりぼっちゆえの自由も知らない。孤独になるところから始まる創造的な時間の使い方もまったく知らない。だから、彼ら・彼女たちにとって、孤独はきっと闇のように暗くて深いのだ。
そんな、②かわいそうな子どもたちをどうすれば助けてあげられるだろうか。独りを恐れてはならないと言ってあげるべきだろうか、独りになることは怖くないと言っても、きっと彼ら・彼女たちには通じない。たぶん、その恐れているものこそ最も貴い宝なのだと教えてくれる何かに出会うことが必要なのだ。孤独が闇ではなく、光であり、途方もない創造性の源泉であることを知る機会さえあればいい。多くの人々を感動させてきた文学作品や、感嘆の声を上げるしかない美術作品の数々。それらは原稿用紙に向かい、キャンバスと向き合った孤独な者たちの手から生まれたものだ。(中略)もちろん、孤独でありさえすれば③偉大な作品が生まれるわけではない。孤独は創造性にとって十分条件ではなく、必要条件なのだ。だから、いきなり深遠な思索やらオリジナルな発想やらがどうして生まれるのか、と聞かれても、答えようがない。しかしそういう傑作が生まれ落ちた素地(注6)にあるのが「独り」の状態だということは知っておくべきだろう。
孤独に対して、あまりよくないイメージがあるなら、そのイメージを払拭し、ポジティヴな(注7)イメージに転換しておかなければならない。孤独は創造の源泉であり、夢中になれる悦ばしい時間の素地である。
(注1)背景に没する:ここでは、意識されなくなる
(注2)もろもろ:さまざまなこと
(注3)没入する:熱中する
(注4)寄る辺ない:頼るものがない
(注5)スマホ:コンピュータの機能を持っている携帯電話。スマートフォン
(注6)素地:もと
(注7)ポジティヴな:肯定的な
1
①あの自由とはどのような状態か。
1.
現実世界と想像の世界が混じり合った状態
2.
独りの時間が十分にある状態
3.
自由に時間が使えるような暇な状態
4.
夢中になって時間を忘れるような状態
KUNCI
2
②かわいそうな子どもたちとあるが、何がかわいそうなのか。
1.
ひとりぼっちを怖がっていること
KUNCI
2.
自由を求めようとは思っていないこと
3.
人とつながっていても自由だと思っていること
4.
孤独になることは恐ろしいと教えられてきたこと
3
③偉大な作品について、筆者が述べていることに合うのはどれか。
1.
孤独になれば、人と違う発想が生まれる。
2.
孤独な状態がなければ、偉大な作品は生まれない。
KUNCI
3.
孤独な者でなければ、偉大な作品に共感できない。
4.
孤独な時間が多ければ、偉大な作品を生むことができる。
4
筆者が言いたいことは何か。
1.
創造的な時間の使い方を知るには孤独になるべきだ。
2.
孤独は創造力を生み出すための貴い機会だ。
KUNCI
3.
孤独になることで、人とのつながりのよさがわかる。
4.
孤独のよくないイメージを消し、自由との違いを認識すべきだ。