JLPT N1MODE BACA

JLPT N1 - 2024年7月

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SESI 18 SOAL

内容理解(中文) (Pemahaman Teks Sedang)

次の文章を読んで、後の問いに対する答えとして、最もよいものを1・2・3・4から一つ選びなさい。
WACANA / STIMULUS SOAL
私は、何を表現したくて漫画を描いているのか?マンガ家を目指したころから考えていた。
(中略)
古代から、似た物語はたくさんある。ドラマ作りで大事なのは、新しい筋立てやエピソードを無理やりひねり出すことより、作者独自の考え方を、ドラマにのせて表現することなのだろう。十代の私は、そう気づいた。しかし『自分の考え』をどうやって確立するのか?自分の考えのつもりでも、人の意見に引きずられているかもしれない。
そこで新聞を使った『修業』を思いついた。毎朝、新聞を適当に開き、目をつぶって紙面を指す。そして指先にふれたところに載っていた記事の中の人物になりきって『この後どうすればこの問題が解決するか?どう振舞うのがベストなのか?』を毎日、真剣に想像した。
これをくり返すうち、自分なりの考え方をきちんと言葉で表現する大切さが分かってきた。そして自分が何を表現したいのかも、おぼろげながら見えてきた。
突き詰めると、私は『ヒロインが何を考えているか』を描きたかったのだ。
それまでの少女漫画には、主人公である少女が能動的に動く物語が少ないように感じていた。それよりヒロインの喜怒哀楽、感情が描かれることが多かった。でも私は、自ら考え決心して生き方を選ぶ少女を描きたかった。
そのため私の作品では、何かを決意するまでのヒロインの試行錯誤が長い。第一読者である担当編集者には『理屈っぽい』と言われ続けている。『ヒロインが泣く時に読者が共感してくれるんだ』とアドバイスされても、泣く前に考える女性を描き続けた。
(注1)ドラマ:ここでは、ストーリー
(注2)筋立て:話の組み立て
(注3)おぼろげながら:ぼんやりではあるが
1
筆者は何のために新聞を使って『修業』をしていたか。
1.
記事の人物について自分の考えを持つため。
2.
記事を参考に、自分なりのストーリーを作り出すため。
3.
自分自身の考えを持てるようにするため。
KUNCI
4.
自分の考えを言葉で表現できるようになるため。
2
筆者は、『修業』を繰り返した後、漫画で何を表現したいと思ったか。
1.
ヒロインが自ら決断し人生を生きる姿。
KUNCI
2.
ヒロインが自らの人生について悩む姿。
3.
ヒロインが自ら選んだ人生で成功する過程。
4.
ヒロインの感情や心が変化する過程。
WACANA / STIMULUS SOAL
以下は、生物の進化について書かれた文章である。
世界中にさまざまな形の角を持つカブトムシがいますが、その中のどれかが生き残りやすいということはありません。カブトムシとしての条件さえ整っていれば、角の形はどれでもいい。たまたま突然変異でいろいろなカブトムシが生まれ、そこには環境圧力がかからなかったので、どれも生き残っただけの話です(もちろん、たとえば移動が困難なほど巨大な角など、生きるのに邪魔になる形質の個体は淘汰されたでしょう)。
こうした形質は、進化のプロセスにおける『遊び』の部分だといえます。たとえば自動車なら、四角い車体にタイヤが四つあり、中にはエンジンやハンドルがあるといった基本形は、どのメーカーでも変わりません。しかしそれ以外の細かい部分―ヘッドライトの形やシートの色や材質など―は、自動車としての本質にあまり関係がないので、車種やメーカーによってかなり多様性がある。デザイン的に遊べるのです。
生物の場合も、デザイン的な遊びを入れる余地がなく、多くの種に共通する基本形はあります。生きている環境が同じなら、体型が似てくるのは当然の成り行きで、これは『収斂進化』と呼ばれています。たとえば哺乳類であるイルカの体型が魚類と似ているのも収斂進化の結果のひとつです。
(中略)
突然変異は生物の多様性を拡大しますが、環境圧力にはその多様性を絞り込む役割があるといえるでしょう。生物の進化には、その両面があるのです。
(注1)カブトムシ:昆虫の一種で、雄は角を持つ
(注2)突然変異:親にはない生物的特徴が子に現れること
(注3)淘汰される:ここでは、滅びる
3
カブトムシの例を挙げて筆者が言おうとしていることは、何か。
1.
環境によって、個体が生き残るために必要な基本形も変化していく。
2.
さまざまな形の個体が生まれても、時間がたてばひとつの形になっていく。
3.
生存の条件に合う変化の生じた個体だけが生き残ることができる。
4.
生存にかかわる本質的な部分の変化でなければ、どんな形の個体も生き残る。
KUNCI
4
生物の進化について、筆者はどのように述べているか。
1.
突然変異で生じた多様性は、環境次第で維持されたり縮小したりする。
2.
突然変異が頻繁に起こることで、環境の影響を受けない個体が生まれる。
3.
突然変異も環境からの圧力も、多様性を拡大したり縮小したりする役割がある。
KUNCI
4.
多様性は、環境からの圧力で絞り込まれても、突然変異によって拡大し続けていく。
WACANA / STIMULUS SOAL
不正に対して、腹の底からふつふつと怒りが湧き上がってくるのは、人間にとってとても大切なことです。そして、それが大きな共感となって社会全体に広がるとき、社会変革のうねりが訪れます。
しかし同時に私たちは、『正しい怒り』の罠についても、きちんと知っておかなくてはなりません。『正しい怒り』で胸がいっぱいになると、『怒っている私こそが正しいのだ』というふうに、私を正義の側に置いてしまいがちになります。すると、私の正義を邪魔するものは『悪』である、という思考回路ができあがります。
それがさらにもう一歩進むと、『悪』である彼らに正義の裁きを加えて社会を良くするためならば、こっちだって少々の『小さな悪』を行なってもかまわないはずだ、となってしまうことすらあるのです。歴史を振り返ってみれば、このような行き過ぎが何度も繰り返されてきました。そして『正しい怒り』で胸がいっぱいだと、なかなかそのような罠の存在に気づけません。
すなわち、ほんとうの意味で『正しく怒る』とは、『不正は許せない!』という怒りによって動機づけられた自分の行為のひとつひとつが、客観的に見ても『正しい』と言えるのかどうかを、たえず冷静に自己点検しながら、その怒りのエネルギーを上手に正義へと結びつけていくことではないかと私は思うのです。それができてはじめて、私たちはより良い社会を作っていけるのです。
(注)うねり:ここでは、大きな動き
5
『正しい怒り』の罠とはどういうことか。
1.
不正に対する怒りの感情が自分で制御できなくなってしまうこと。
2.
不正に怒りを感じる自分の側に正義があると思い込んでしまうこと。
KUNCI
3.
不正だけではなく正しいことに対しても怒りを抱いてしまうこと。
4.
怒りによってしか不正を正すことができないと思い込んでしまうこと。
6
『正しく怒る』ことについて、筆者の考えに合うのはどれか。
1.
怒りに基づいた行為が正当かどうかを社会全体で考えるべきだ。
2.
怒りから生じた行為が正当かどうかを常に客観視する必要がある。
KUNCI
3.
怒りをどのようにして正義に結びつけたらいいか冷静に考えるべきだ。
4.
一人一人が自分の怒りの行動に責任を持ち、冷静でいる必要がある。
WACANA / STIMULUS SOAL
経済学者のケインズは、『本を読むときは好意的に読まなければならない』と発言したことがあるが、それは、ケインズの論敵だったある経済学者が、最初から悪意に基づく批判的な態度でケインズの著書を読むために、肝心の論点を一向に理解しないこと(できないこと)を嘆いての発言であった。
つまり、読む前から批判的な姿勢を持っていると、批判という意図的フィルターの介在によって、他者のつくった知的生産物との関わり方が、出発点から歪んでしまうのである。高名な著者になんとかして批判の一矢を浴びせてやろうと意気込んでいる人が書いた書評などを読むと、浅薄な揚げ足取りに終始している場合が実に多いのは、そのせいである。そんな読み方をしていては、『知』が血肉化することなど到底ありえない。やはり最初は、好意的な読みからスタートした方が得だろう。
好意的な読み方の先には、没入して読むという世界があると私は考えている。好意も批判もなく、ただ夢中になって読む。徹底的に読む。そうやって読んだものこそ、無意識のうちに内在化する。
(中略)
ただし、私は批判的な読み方が不要だと言っているのではない。没入しないと深く読めないと言う一方で、しかし、批判的に読まなければ、読みが鋭くならないとも実感している。
では、どうすれば良いのだろうか。バランスを取るにかぎる、と物知り顔で言う人もいるかもしれない。しかし、ここで必要なのは、両者のバランスを取ろうとすることではない。そうではなくて、このふたつの読み方を意識的に往来することなのだ。
(注1)論敵:論争の相手
(注2)浅薄な:思慮が足りない
(注3)揚げ足取り:重要でない部分を取り上げて批判すること
(注4)血肉化する:ここでは、自分のものになる
(注5)没入する:熱中する
(注6)内在化する:ここでは、身につく
(注7)物知り顔:よく知っているかのような顔
7
筆者によると、最初から批判的に読むことの問題点は何か。
1.
論点だけでなく、重要でない点まで取り上げて批判するようになること。
2.
著者の主張が正しいと分かっているのに、受け入れられなくなること。
3.
批判することが目的になり、著者の主張を正確に理解できなくなること。
KUNCI
4.
批判することしか頭になくなり、自分の考えが持てなくなること。
8
筆者の考えに合うのはどれか。
1.
批判的に読みながら徹底的な読みも加えることを意識するべきだ。
2.
徹底的に読むことが必要だが、批判的な読みも忘れてはいけない。
KUNCI
3.
徹底的に読むか批判的に読むかは内容によって決める必要がある。
4.
徹底的に深く読めば、意識しなくても鋭く批判的に読むことができる。