JLPT N1MODE BACA

JLPT N1 - 2022年7月

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SESI 14 SOAL

主張理解 (Pemahaman Opini Penulis)

次の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
WACANA / STIMULUS SOAL
植物は美しい花を咲かせ、虫を誘った。鳥は飛ぶために翼を生やした。しかし、生物は、自ら求めてそのような性質を得たわけではない。生命にとって新しい変化は偶然によってしか生まれない。
DNAが複製され、親から子に受け渡されるとき、ごくごく稀に、ほんのわずかな誤植(注1)が発生する。もちろん誤植はランダム(注2)におきる。ささいな誤植は新たな変化をもたらす。その変化自体には目的も意図も方向性もない。そこから何かを選びとるのは自然環境である。自然環境に適した変化は選択され、子孫を残す。環境に不適な変化は子孫を残せず、淘汰される。
ところがもし本来ならあっさり淘汰されてしまうような変化であっても、それを選びとり、守り、育むような「選択者」が自然以外に存在すれば、その変化は生きのびることができる。そんなことが近年、実はたくさん、あちこちで起こっている。近年、といってもそれは、人間がこの世界に出現して以来のこと。
たとえば鳥。鳥は卵を産むと巣に籠って暖める性質を持つ。数週間それに専心(注4)する。しかし、もし何らかの突然変異によって鳥の習性が変化し、卵を産んでも暖めることを放棄してしまった。そんな変化は、子孫を残すのに圧倒的に不利だから、たちまちそんな鳥は淘汰されるはず。
ところが人間はその鳥の卵を鳥に代わって暖め子孫を増やしてやることにした。なぜか。鳥は卵を暖めることを放棄したかわりに、またすぐに次の卵を作りはじめる性質を持っていたから。こうして現在、私たち人間は、毎日排卵(注5)し、毎日のように卵を産みっぱなしにして平然としている鳥、すなわち、一年に300個以上も卵を産み続けるニワトリ、①ホワイトレグホンを選びとった。
たとえば②カイコ(注6)。カイコはもともとクワコという蛾の一種だった。人間が常時、餌を供給して人工的な環境を与えた。すると幼虫は自分で餌を探索するのをサボるようになった。その分の余力をもっと別なこと、つまり絹糸を作り出す能力に振り向けるような種が選別された。かくして自分ではほとんど動けず、必要以上に大きく厚手の繭(注7)を作りだし、そこから出ることも飛ぶこともできないような昆虫が作り出された。カイコは人間がいないと生きていけない。
(中略)
人間がその進化のプロセスに介入し、自然になりかわって選択者としてふるまい、作りかえ、新たに生み出した生命。その生命たちはもはや人間なしでは生きていくことができない。一方、人間もまたそんな生命に助けられ、あるいは支えられて生きている。これは人間と人間が作り出した生命との新たな共生関係とも呼べる。
人間が登場して以来、進化の歴史は新しい局面を迎えた。人が作りかえたいのち。それに対して人間はきちんと責任を取らなければならない。
(注1)誤植:ここでは、ずれ
(注2)ランダムに:偶然に
(注3)淘汰される:ここでは、滅びる
(注4)専心する:集中する
(注5)排卵する:ここでは、体の中で卵を作る
(注6)カイコ:絹糸を作り出す虫
(注7)繭:虫が自身を包むための球状の覆い
1
筆者によると、自然界で子孫を残した生物はなぜ子孫を残せたか。
1.
自然環境に合わせて自身を変化させたから
2.
自身に適した自然環境を選んで移動したから
3.
DNAが複製されるときに、ずれが生じなかったから
4.
DNAに生じた変化が、たまたま自然環境に合ったから
KUNCI
2
①ホワイトレグホンについて、筆者はどのように述べているか。
1.
卵を産んでも暖めない。
KUNCI
2.
一度に多くの卵を産む。
3.
産んだ卵をほかの鳥に託す。
4.
ほかの鳥より卵を暖める時間が短い。
3
②カイコについて、筆者はどのように述べているか。
1.
身動きが取れないため、絹糸が多く作り出せなくなった。
2.
人間が餌を与えることで、絹糸を作ることに専念するようになった。
KUNCI
3.
生きるエネルギーの大部分を、餌を食べることに費やすようになった。
4.
人工的な環境を与えた結果、絹糸を作るという新しい能力を獲得した。
4
筆者が言いたいことは何か。
1.
人間が作りかえた生物は、本来の姿に戻さなければならない。
2.
人間はあらゆる生物と新たな共生関係を築くべきだ。
3.
人間は生物の進化のプロセスに介入するべきではない。
4.
人間は作り出した生命との共生関係を維持しなければならない。
KUNCI