JLPT N1MODE BACA

JLPT N1 - 2022年7月

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SESI 19 SOAL

内容理解(中文) (Pemahaman Teks Sedang)

次の(1)から(3)の文章を読んで、後の問いに対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
WACANA / STIMULUS SOAL
巷によくある料理本について、私がかねがね不満に思っていたことがある。
それは、たとえば炒飯ならば、一、フライパンを熱する。二、大さじ二杯のサラダ油を入れる。三、溶き卵を入れる。……といった感じに書かれていることが多くて、なぜそうするのかが書かれていないのだ。なぜフライパンを熱してから油を入れるのか。なぜ溶き卵をこのタイミングで入れるのか。私は、そういうことが知りたい。型というかマニュアルが欲しいのではなく、その型が生み出された基本原理が知りたいのである。
基本原理さえつかめれば、これは他にも広く応用が利くので、後々役立つ度合いが大きい。個別の型だけを学んでも、それは他のことに応用できるのかできないのか判断がつかないし、応用したとしても、その範囲はかなり限定されてしまう。そして何より、ただ誰かの作った型に理由もわからず無自覚なまま従っていること自体が、私にはとても気持ちが悪いのだ。
(中略)
型というものは、それを考案した人自身に最も必要だったものであって、必ずしもすべての人に有益とは限らない。真に学ぶとは、誰かの型をコピーすることではなく、そこからエッセンスを抽出して、自分に合ったやり方を生み出すことではないだろうか。
マニュアルを使うことに慣らされた現代だからこそ、白紙の状態から必要なやり方をその都度見つけ出せるような人間を育てていく必要があるのではないかと、私はいろんな場面で思うのである。
1
料理本について、筆者が不満に思っていたことは何か。
1.
なぜ自分とは違う手順なのかがわからないこと
2.
作り方が丁寧に書かれていないこと
3.
手順が決められた理由が書かれていないこと
KUNCI
4.
手順が一つしか書かれていないこと
2
型について、筆者はどのように述べているか。
1.
個人が自由に作ったもので、基本原理をもとに作られたものではない。
2.
学ぶことはできないので、自分で見つけるしかない。
3.
作った人には必要なものだが、誰にでも役に立つとは言えない。
KUNCI
4.
作った人から学べば、誰にでも応用できるものだ。
3
学ぶことについて、筆者の考えに合うのはどれか。
1.
基本原理を理解したうえで、自分なりのやり方を発見することが大切だ。
KUNCI
2.
より多くの型を学び、その中から自分に合ったやり方を探し出すべきだ。
3.
まず型を身につけ、それを自分に合うように修正していくことが大切だ。
4.
マニュアルを使うことをやめて、基本原理を自分で考えるべきだ。
WACANA / STIMULUS SOAL
これまでずいぶんたくさんアニメーションを作ってきましたが、しかしなかなか未だに巧くアニメーションを作るのは難しく、大変です。いつもどう作ったらよいのか、作り始めてからもとまどってしまうのです。しかし少しずつ形になってくると、ふつふつ(注1)と楽しくなってくるのです。そしてできあがってきたイメージと自分の頭の中のイメージとの、一致とズレを近づけたり、遠ざけたりするために、たくさんの作業を積み重ねて、最後には、どこかであきらめを付けて、終わりにします。
ただその時には終わったと思っても、少し時間を置いてみると、もう少しこうすればよかった、ああすればよかったと、後悔ばかりが浮かんできて、自分のアニメーションの上映会に立ち会う時は、いたたまれない思いがします。アニメーションに限らず、クリエーター(注2)は多かれ少なかれ、ただ楽しいばかりではなく、こんな思いをしながら、次こそは自分のベストを形にしようと、日々まるで「修行」のように物作りに追われていくのではないでしょうか。いつかは、この魔物から逃れて、心安らかな日が訪れるのを夢想しながら。
(中略)
現実世界には、辛いことや思いどおりにならないこともたくさんありますが、創作活動の中、精神の世界で自由に羽を伸ばせる時、そこには他のいろいろな楽しい娯楽では味わえない深い喜びがあり、それがこの魔物から逃れられない理由のひとつです。
そして、言葉にはできない価値観をうまく作品として整えられた時、それは人の反応や評価を超えた、絶対的な充実感を与えてくれるものと信じています。
(注1)ふつふつと:心の中からわいてくるように
(注2)クリエーター:創造的な仕事に携わっている人
4
筆者にとって、アニメーションを作る作業とはどのようなものか。
1.
自分のイメージどおりになることを求めずに、楽しみながら形にする。
2.
自分のイメージに近づけて修正を重ねるうちに、できあがっていく。
3.
思い描いたことと現実の形を調整し続け、あるところで妥協する。
KUNCI
4.
十分納得できるまで、完成に向けて作業を積み重ねる。
5
この魔物とは何か。
1.
我慢できないくらい大変で、作品作りをやめてしまいたくなる物作り
2.
後悔に悩まされながら、納得できる作品を目指し続ける物作り
KUNCI
3.
自分のベストの形が分からなくなってしまうような物作り
4.
作品を作り終えるたびに、気力を奪われるような物作り
6
創作することについて、筆者の考えに合うのはどれか。
1.
自分の思いどおりにならなくても、人に評価された時に充実感が得られる。
2.
自分の世界観を思う存分広げ、作品の中で表現できた時に満足できる。
KUNCI
3.
満足できる作品になりそうになくても、完成させると充実感が得られる。
4.
いつか満足する作品が作れると信じていれば、評価される作品が作れる。
WACANA / STIMULUS SOAL
人間の脳の一部に、前頭葉というものがある。
この前頭葉は、意欲や感情のコントロール、思考や想像のスイッチ機能を果たしていると考えられている。そして、長期記憶を保持する役割も担っている。しかしここが、脳の中で一番早く老化が始まるのだという。(中略)
前頭葉の老化に拍車をかけると懸念されているものがある。デジタルだ。(注1)
人間がパソコンやスマートフォン(注2)、インターネットなどに頼り過ぎるようになったことで、自分の頭の中に情報や知識を蓄積したり、繰り返し引き出す機会が減った。それが前頭葉の老化をいっそう促しているという指摘がある。
デジタルの中に蓄えられる莫大な情報を、人間に新たに与えられた「外部脳」だと解釈し、これが人間の脳の効率化につながるのだという見解が増えた。外部脳を持てば、自分の脳を記憶装置にせず、思考の場として徹底できる、そう考える専門家も少なくない。
しかし、外部脳に頼ることの代償が前頭葉の老化促進だとすれば、この考えに対しては慎重に対峙(注3)しなければならない。
自分の脳の中に情報や知識を記憶し、それを駆使してこそ生まれる連想や判断というものがある。これを頻繁に繰り返すことで、人間の脳の潜在力が引き出され、老化も防ぐことができる。外部脳ができたことを謳歌する前に、自分の脳を鍛え、活用することの重要性を再認識する必要がありそうだ。闇雲に(注4)デジタルへ脳の役目を託すことは、危険を伴うと言わざるを得ない。外部脳に人間の脳が持つ元来の力を奪われかねないのだから。
(注1)デジタル:ここでは、デジタル機器
(注2)スマートフォン:パソコンの機能もある携帯電話
(注3)対峙する:向き合う
(注4)闇雲に:深く考えずに
7
筆者によると、デジタルを使うことで前頭葉の老化が進むのはなぜか。
1.
記憶にかかわる脳の機能を使うことが少なくなるから
KUNCI
2.
デジタルがもたらす膨大な情報が、脳を疲労させるから
3.
脳が情報や知識を扱うことがなくなるから
4.
脳が感情のコントロールや思考をしないようになるから
8
この考えとはどのような考えか。
1.
脳よりデジタルのほうが、情報や知識を多く蓄積できる。
2.
デジタルに頼り過ぎると、次第に脳の機能が低下する。
3.
デジタルは、脳と同じように思考に使えるものではない。
4.
デジタルと脳を使い分けることで、脳は思考に特化できる。
KUNCI
9
筆者が言いたいことは何か。
1.
情報や知識の記憶装置である脳を、さらに鍛えるべきだ。
2.
連想や判断の機能を持てば、デジタルも脳の役目を果たせる。
3.
デジタルをうまく活用しなければ、脳の潜在力が引き出せない。
4.
脳の機能を衰えさせないよう、デジタルの利用は慎重であるべきだ。
KUNCI